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新川直司『さよならフットボール』あらすじ・感想【ネタバレ】-サッカーの楽しさを思い出す作品

新川直司『さよならフットボール』あらすじ・感想
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『さよならフットボール』は男子サッカー部に混じって練習しているものの、一度も公式戦に出たことのない女子中学生・恩田希が主人公のサッカーマンガだ。

サッカー自体を純粋に楽しむ希の姿から、サッカーをはじめた頃の気持ちを思い出して気持ちが熱くなる名作だと思う。

この記事では、新川直司『さよならフットボール』を紹介したい。

目次

『さよならフットボール』主な登場人物

恩田 希

さよならフットボール恩田
出典:新川直司『さよならフットボール』1巻 p40(講談社)
  • 藤第一中 2年
  • ポジション:MF

サッカーセンスにあふれたファンタジスタ。
サッパリした性格だが、恋には鈍感。

『さよならフットボール』あらすじ (ネタバレなし)

男子サッカー部で唯一の女子部員である主人公・恩田 希は他を圧倒する技術を持った選手だが、女子であるために公式戦には出場できなかった。

目前の公式戦である新人戦への出場意欲をあらわにする希は、どうしてもこの試合に出場したい理由があった。

それはスポーツ少年団で希のことを「親分」と呼び、ついて回っていたナメックとの再会。

あの小さかったナメックが立派に成長し、希に対して「お前を超えた」「サッカーはフィジカルだ」と言い放ったのだ。

希が所属する藤第一中は、新人戦1回戦でナメックがいる江上西と対戦する。

だからこそ希は新人戦に出場し、ナメックと戦わなければならなかった。

ここから先は作品の結末に言及している。未見の方はご注意願う。

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『さよならフットボール』の感想 (ネタバレあり)

希が見せるサッカーへの渇望

『さよならフットボール』の主人公・希は今まで公式戦に出場したことがない。
サッカー選手であるからには試合に出たいと思うのは当然のことだ。

メンバーに入れない理由が実力ならば、希も納得できただろう。
しかし、希の実力はチーム随一で、性別以外に出場できない理由はない。

さよならフットボール01
出典:新川直司『さよならフットボール』1巻 p82(講談社)

自分ではどうすることもできない理由で試合に出られないことがどれほどツラいか。
そのツラさを胸に抱きつつも、諦めずに奮闘する希からサッカーへの情熱を感じずにはいられない。

「フィジカル」は絶対的なものなのか

『さよならフットボール』のテーマともなっているのは「フィジカル」
物語の冒頭で大きく成長したナメックが希の前に姿を現して、男女のフィジカルについて言及する。

さよならフットボール02
出典:新川直司『さよならフットボール』1巻 p68(講談社)

ナメックの発言に対して、対抗心を隠さない希は堂々と勝負に挑む。

さよならフットボール03
出典:新川直司『さよならフットボール』 1巻p72(講談社)

しかし、サッカーはフィジカルだけで勝負するスポーツなのだろうか。
フィジカルで負けるなら、それを受け入れて別の道を模索すればいい。

希はこっそり出場した試合途中、フィジカルでぶつかることを避けて、仲間との連携を強みに再びナメックに挑む。

さよならフットボール04
出典:新川直司『さよならフットボール』2巻 p78-79(講談社)

フィジカルの差について『さよならフットボール』では男女の対比になっていますが、日本と世界という目線でも同じだ。

フィジカルではどうしても劣ってしまう日本が世界を相手にどう戦っていくのか。
あえてフィジカル勝負には挑まずに、それ以外で勝負するという方法もある。

もちろんフィジカルが軽視されていいということではないが、1つに固執せずにいろいろな戦い方があることを希が教えてくた。

おわりに

『さよならフットボール』は表紙がかわいい系で女子が主人公とあって、読まず嫌いの人が多いイメージがある。

しかし、希のサッカーへの情熱や、フィジカルに対する考え、チームでサッカーを楽しむ気持ちなどサッカー好きが忘れてしまいがちなことがつまった名作だ。

えむ

『さよならフットボール』は硬派なサッカーファンにこそ読んで欲しい!

新川直司『さよならフットボール』(講談社)

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えむ
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鹿島アントラーズからサッカーを読み解く「蹴球鹿」の中の人です。 鹿島のレジェンド・相馬直樹選手を見てサッカーをはじめてからずっと鹿島アントラーズを応援しています。 学生時代のポジションは左サイドバック、ボランチ。 最近当ブログ記事の無断転載が増えています。ご遠慮ください。