この記事では、2019シーズンのACLプレーオフからグループステージで鹿島アントラーズが使用したフォーメーション、スタメン振り返ります。
試合の振り返りや、出場選手を確認しながらダイジェスト映像を楽しむなどご活用ください!
目次
プレーオフ 鹿島アントラーズ vs ニューカッスル・ジェッツ
フォーメーション図
鹿島アントラーズ スタメン
システム 4-4-2
GK クォン・スンテ
DF 安西 チョン・スンヒョン 町田 山本
MF 土居 永木 レオ・シルバ 安部
FW セルジーニョ 伊藤
鈴木優磨、三竿健斗は負傷離脱中。伊藤翔は鹿島移籍後初の公式戦出場。
ニューカッスル・ジェッツ スタメン
システム 4-3-3
GK モス
DF クトルンビス ブーガード トポースタンリー ゲオルギエフスキ
MF カンタロブスキ ユガルコビッチ ライデントン
FW ペトラトス オドノバン バルガス
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戦評
鹿島はシーズン初戦から落とせない試合となった。コーナーキックのこぼれ球から伊藤翔がゴールを決めて、早々に先制したものの、ゆるい守備からすぐ同点にされてしまう。その後安西のクロスから山本がヘッドを叩き込むと、徐々に鹿島がゲームを支配しはじめた。後半にはセルジーニョのPK、途中出場の山口のクロスを再びセルジーニョが決め、4-1と大勝した。
大量得点となったが、外した決定機も多く、チームとしてはまだまだ物足りない出来だった。相手と力の差があったこともあり、手放しで喜べるような試合内容ではなかった。
試合データ
日時:2019/2/19(火)19:00
会場:県立カシマサッカースタジアム
結果:鹿島 4-1 ニューカッスル・ジェッツ
得点者:【鹿島】伊藤(18分)、山本(32分)、セルジーニョ(67分、91分)【ニューカッスル・ジェッツ】バルガス(24分)
グループステージ 第1節 鹿島アントラーズ vs ジョホール・ダルル・タクジム
フォーメーション図
鹿島アントラーズ スタメン
システム 4-4-2
GK クォン・スンテ
DF 平戸 犬飼 町田 安西
MF 遠藤 永木 名古 山口
FW セルジーニョ 金森
平戸、名古は今季公式戦初出場。金森は初先発。
ジョホール スタメン
システム 4-2-3-1
GK マーリアス
DF クナンラン マウリシオ アズリン コービン=オング
MF ファザイル ハルン S・ラシド アハマド カブレラ
FW ジオゴ
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戦評
序盤から試合を優勢に進めていた鹿島。セルジーニョが自分で獲得したPKを相手GKにセーブされたところで一抹の不安が生まれた。
前半も0-0で終了かと思われたとき、CKの流れから平戸のクロスがそのままゴールに吸い込まれ鹿島が先制した。
後半は1点取ったことでより余裕が生まれ、何度か追加点のチャンスを迎えたが、セルジーニョは気負って決定機を逃してしまう。
しかし、ACL男のセルジーニョは魅せる。ペナルティーエリア前からゴール左上隅ギリギリに絶妙ミドルを叩き込み鹿島が2-0のリードとなった。
その後三竿健斗を投入し、無失点で試合を終えたかった鹿島だが、相手のFKから失点してしまい2-1。
なんとか逃げ切ってACLグループステージ初戦を勝利した。
相手との戦力差もあり、プレスも受けなかったため自分たちがペースを握って試合を進めることが出来たが、物足りない結果に終わった。
しかし、シーズン序盤かつ難しい初戦で勝ち点3を取れたことはプラスに捉えたい。
納得できない試合だったのか。自分の出来は良かったし勝ったからOKと思うのか。チームとして選手各々がこの試合をどう見たかが気になるところだ。
試合データ
日時:2019年03月05日(火) 19:00
会場:県立カシマサッカースタジアム
結果:鹿島 2-1 ジョホール・ダルル・タクジム
【鹿島】平戸(43分)、セルジーニョ(56分)【ジョホール】ジオゴ(80分)
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グループステージ 第2節 鹿島アントラーズ vs 山東魯能
フォーメーション図
鹿島アントラーズ スタメン
システム 4-4-2
GK クォン・スンテ
DF 平戸 チャン・スンヒョン 犬飼 町田
MF 遠藤 三竿 レオ・シルバ 山口
FW セルジーニョ 伊藤翔
怪我からの復帰後はベンチスタートが続いていた三竿健斗がスタメン復帰。怪我明けのチョン・スンヒョンは即スタメン復帰となった。
町田は左サイドバック起用。
山東魯能 スタメン
システム 4-2-3-1
GK 王大雷
DF 王彤 戴琳 ジウ 劉洋
MF 蒿俊閔 フェライニ 金敬道 周海浜 呉興涵
FW ペッレ
アフロではなくなったフェライニが誰だか分からない……。
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戦評
山東は前からプレスにくるわけでもなく、構えて守るわけでもなく、ゆるく試合に入っていた。その結果、鹿島は中央に空いたスペースを難なく活用して試合のペースを握った。
中央をドリブルで進んだ伊藤がレオシルバとの時間差ワンツーから先制。スローインの流れから平戸が遠藤とのワンツーで抜け出し、スルーパス。パスを受けた伊藤が2点目をゲットし、簡単な試合になると思われた。
しかし、ここから山東のプレースピードが上がり、クロスからの得点を狙い続ける。すると、クロスからのヘディングを防ごうとした三竿の手にボールが当たりPK。これをペッレが決めて1点差。ここではインナーラップしたサイドバックに対して山口は反応が遅れ、レオシルバはカバーに入れなかった。
さらにアーリークロスに犬飼が競り負け、ボールがペッレへ。スンヒョンが粘ったものの、決められて同点となった。
山東は長身の選手めがけてクロスを入れてくるのは充分予想していたはずなのに、クロスを上げさせない、限定することができていなかった。
後半は両チームとも決定機が少なく、山東はクロスとFKから鹿島はミドルとクロスからチャンスをうかがったものの、決勝点は生まれなかった。
2点リードをしたものの、相手のペースに飲まれて同点にされてしまうもったいない試合だった。耐えるべきところで耐えられないのでは勝負強い鹿島とは言えない。(ここ最近では残念ながら珍しくなくなった)
三竿健斗のコンディションがあがってくればカバーリングがより冴えるかもしれない。内田篤人が入ればチームが引き締まるかもしれない。
しかし、特定の選手に依存していてはチームとしての強さは望めないし、ターンオーバーなど出来ない。
怪我人が多いのは事実だが、「誰が出ても鹿島は鹿島」を取り戻してほしい。
試合データ
日時:2019年03月12日(火) 16:30(日本時間)
会場:済南オリンピックスポーツセンター
結果:鹿島 2-2 山東魯能
【鹿島】伊藤(10分、14分)【山東】ペッレ(21分、41分)
グループステージ 第3節 鹿島アントラーズ vs 慶南FC
フォーメーション図
鹿島アントラーズ スタメン
システム 4-4-2
GK クォン・スンテ
DF 平戸 犬飼 町田 安西
MF 遠藤 三竿 名古 安部
FW セルジーニョ 金森
伊藤翔、土居は招集外。
慶南FC スタメン
システム 4-2-3-1
GK イ・ボムス
DF イ・グァンジン ウ・ジュソン ソン・ジュフン チェ・ジェス
MF 邦本 ジョーダン コ・ギョンミン キム・スンジュン ネグエバ
FW キム・ヒョギ
ハイライト動画
戦評
鹿島は相手が前からプレスにこないため、ボールを持つ時間が多かった。
しかし、セルジーニョと金森にボールが収まらず、なかなかチャンスを作れない。
セルジーニョがマイナスのクロスを受けたシーンとCKの流れで平戸から金森にドンピシャのボールが入ったシーンではどちらもボールコントロールにミスがありシュートまでいけなかった。
鹿島としては中央のスペースにFWが下りて、そこからサイドに展開してクロスというパターンが一番得点の可能性がありそうだった。
慶南は繋いでくるタイプでなく、主な攻撃パターンはアーリークロスと邦本からの縦パスに限られていた。
前半終了前にはスンテがイ・グァンジンにふくらはぎを踏まれて負傷交代。曽ヶ端がピッチに入った。
後半もボールを握っていた鹿島だったが、邦本が右から入れたクロスを犬飼がさわってオウンゴールとなってしまう。犬飼の後ろには相手選手がいたためやむ終えない失点となった。邦本に寄せた名古が簡単にクロスを上げさせたのも失点の要因だった。
ここから慶南が怒涛の攻めを見せる。
FKからのボレーはポスト、ワンツーで抜け出されたピンチは曽ヶ端セーブと鹿島もギリギリで耐えた。
劣勢の鹿島は遠藤に代えて小田を投入。平戸をサイドハーフに上げる。交代直後、相手のコーナーキックで小田がジョーダンの付ききれずボレーを決められ2失点目。
敗戦濃厚かと思われたところから鹿島が底力を発揮する。
失点後に左→右→中央→左をサイドを変えて、左から安西がクロス。これが相手のオウンゴールを誘い、1点を返した。
直後に平戸に代えて山口がIN。左サイドハーフ山口、右サイドハーフ安部の形をとる。
右サイドの安部と小田は同期コンビ。
山口の積極性に反応するように左を中心に攻めはじめた鹿島だが、痛恨の判定が続く。
相手のカウンターから自分のマークに抜け出されて焦った町田がファール。累積2枚目で次節出場停止。さらに犬飼がこの試合2枚目のイエローで退場。こちらも次節出場停止となった。犬飼のイエローはどちらも不運なものだったのが残念。
このまま試合終了かと思われたアディショナルタイム。
三竿のサイドチェンジを受けた安西が上げたクロスをファーの安部が中央に折り返し、金森が決めて同点。
左サイド山口のアーリークロスを小田がマイナスに折り返すとセルジーニョがワントラップから強烈なボレーを叩き込んで鹿島が逆転!
そのまま試合が終わり、劇的な逆転勝利となった。
交代で投入された山口、小田が結果を出し、チーム全体で勝利をもぎ取った。
試合内容としては褒められるものではないが、怪我人が多いなかで、スンテの負傷、犬飼の退場などの劣勢を試合に出ているメンバーで跳ね返したのは大きい。
次節に向けて不安要素はあるが、勝利したチームを讃えたい。
試合データ
日時:2019年04月9日(火) 18:30(日本時間)
会場:昌原サッカーセンター
結果:鹿島 3-2 慶南
【鹿島】オウンゴール(75分)、金森(91分)、セルジーニョ(93分)【慶南】オウンゴール(56分)、ジョーダン(71分)
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グループステージ 第4節 鹿島アントラーズ vs 慶南FC
フォーメーション図
鹿島アントラーズ スタメン
システム 4-4-2
GK クォン・スンテ
DF 小田 関川 三竿 安西
MF 遠藤 永木 名古 白崎
FW セルジーニョ 金森
チョン・スンヒョンは負傷離脱中、町田と犬飼は出場停止、ブエノは登録外でセンターバックは関川と三竿のコンビ。
白崎はACL初出場。
慶南FC スタメン
システム 4-2-3-1
GK イ・ボムス
DF ウ・ジュソン イ・グァンソン キム・ジョンピル チェ・ジェス
MF 邦本 ジョーダン コ・ギョンミン キム・スンジュン ネグエバ
FW キム・ヒョギ
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戦評
鹿島は試合開始早々にピンチを迎えた。
バックパスが流れたところを関川が自陣に戻りながらボールを回収しようとする。そこをネグエバが後ろから猛スピードでチェイスし、ボールを奪取。そのままエリア内まで運ばれたが、切り返したところをセンターバック二人で取りきってピンチを防いだ。
その後は前節に続いてクロスとプレースキックを中心に攻めてくる慶南相手にミスからボールを失い続ける鹿島。
相手のプレスは前回よりも多少強度は増したものの、そこまで焦る必要はなかったはずだが、余裕なくボールをロストし続けてしまった。
後半も同じような展開のなか、鹿島は失点を喫する。
スローインの流れからジョーダンマッチがフリーでクロスを上げると大外で狙っていた邦本にヘディングでゴールを決められた。
ジョーダンマッチに寄せられずフリーでクロスを上げさせた名古、ボールウォッチャーになりマークを見失った関川と小田、飛び出したがボールにさわれなかったスンテと連続したミスが起きた。ここまでミスをしてしまっては失点するのも当然だった。
失点後、安部と山口を投入してサイドから相手ゴールをこじ開けようとするものの、中央をしっかり締められたところにクロスを上げても弾き返されるだけ。連動した崩しもなく、最後に投入された伊藤翔もこれでは仕事のしようがなかった。
鹿島は反撃のゴールを決めることができずに試合終了のホイッスルが鳴った。
プロデビューとなった関川は試合開始早々に1点もののミスをしたことや、失点に関与した場面はあったが、デビュー戦では上々の出来だった。
ボールを運んだり、安西へのミドルパスを何本か見せていて、ヘディング以外の武器も披露した。今後が楽しみな選手だ。
関川をサポートし続けた三竿のプレーも見事だった。ミスなくセンターバックでのプレーを全うした。
対象的に評価を落としたのは小田だろう。
前半は強気で仕掛ける場面があったものの、徐々にトーンダウン。その影響はディフェンスに及んで、マークを見逃してしまい失点に原因になった。
もちろん小田の出来も良くなかったのだが、若手を周りがフォローできないのも良くない。
本来であれば永木、遠藤が気にかける必要があったのに、彼らは自分のことで精一杯だった。チーム全体の失敗だった。
その永木がサイドチェンジできないのも、試合展開が行き詰まった原因だ。
伊藤翔が入って、セルジーニョが少し下がるとすぐサイドを変えるのミドルパスを出していた。丁寧に横パス横パスでサイドを変えていたのでは、相手にスライドする時間をプレゼントするようなものだ。柴崎岳のように狭いところを通す完璧なパスを求めているわけではない。ボランチとして出場する以上は視野を広げて、試合をコントロールして欲しい。
試合データ
日時:2019年04月24日(水) 19:00
会場:県立カシマサッカースタジアム
結果:鹿島 0-1 慶南
【鹿島】なし【慶南】邦本(63分)
グループステージ 第5節 鹿島アントラーズ vs ジョホール・ダルル・タクジム
フォーメーション図
鹿島アントラーズ スタメン
システム 4-4-2
GK クォン・スンテ
DF 永木 犬飼 町田 安西
MF 遠藤 平戸 レオ・シルバ 安部
FW セルジーニョ 伊藤翔
永木が右サイドバック、平戸は今シーズン初めてボランチに入った。
ジョホール スタメン
システム 4-1-4-1
GK タルミジ
DF クナンラン マウリシオ ザフアン コービン=オング
MF ハルン S・ラシド ファイズ ファザイル カブレラ
FW アハマド
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戦評
鹿島は気温28度、湿度90%の過酷なアウェイ戦に挑んだ。
慣れない芝にも苦戦し、ジョホールに主導権を握られ、ボールを繋ぐことができずミスを連発していた。相手の術中にハマり、自陣で何度もファールをしてしまっていた。
そのなかでも相手のミスから何度かチャンスを作るが、決めることができずに前半を終えた。
後半に入ると徐々にチャンスを作るが、過酷な状況で運動量も少なく、スペースが空いた試合になっていった。
ジョホールに縦パスを通されると犬飼が1対1でボールを取り切れず、相手に突破を許すとそのままゴールを決められてしまった。ボールを取り切れなかった犬飼もそうだが、カバーに入った町田は距離が遠く、シュートコースを限定できなかった。
ゴールを決めたことがジョホールが息を吹き返し、優勢に試合を進めてくる。鹿島はその後もチャンスを作ったがゴールは遠く、0-1で敗戦。
引き分け以上でグループステージの突破が決まっていただけに手痛い敗戦となった。
試合データ
日時:2019年05月08日(水) 21:45(日本時間)
会場:タン・スリ・ダトー・ハジ・ハッサン・ユヌススタジアム
結果:鹿島 2-1 ジョホール・ダルル・タクジム
【鹿島】なし【ジョホール】アハマド(69分)